腹腔鏡手術による結腸切除は開腹手術と比較して回復が早く、合併症のリスクが低いことが示されている。 しかし、ポート部位の再発率が高いとする報告があることから、大腸癌に対する腹腔鏡手術の適応を妥当化するためにはDFSの非劣性を証明する必要がある。 図1. 「手術をすることになったけど、開腹と腹腔鏡どっちかで悩んでいる」 「どっちが体の負担が少ないの?」「手術するかどうかまだわかんないけど、比較して知っておきたい」などが解消できます。筆者も … しかし意外なことに、働き出してか... ここ最近、医師の勤務時間の長さに関するニュースが取り沙汰されています。特に厚生労働省が2019年の1月11日に示した「地域医療に従事する... 医療系ドラマなどではしばしば手術のシーンが出てきます。医療従事者で無ければ、自分が手術を受けない限りは手術室に入る機会はほとんどないと思... 一般的にハードワークで医師自身のQOL(生活の質)が低いとされる一般・消化器外科ですが、実際はどうなのでしょうか? 腹腔鏡手術は、開腹手術に比べて歴史が浅いため、進行した症例に対する長期的な術後成績は明らかでないところがあります。 また、過去の手術の既往などにより腹腔内の癒着が高度であると、開腹手術のほうが妥当とされるケースもあります。 大腸癌手術のクリニカルパス 表1. さらに5件のランダム化比較試験の結果で、腹腔鏡手術を受けた患者と開腹手術を受けた患者の間には、がん再発リスクの差がないことが確認された。腹腔鏡手術では、出血量が少ないことと早期退院が顕著であった。 エビデンスの確実性 当院における急性虫垂炎に対する開腹手術と 腹腔鏡手術を比較検討した。開腹手術に比べ腹 腔鏡手術は,手術時間は長くなるものの,術中 出血や術後合併症が減少した。特に,中等量の 出血に対する止血においては腹腔鏡手術が有利 であった。 一言で外科医と言っても現在は診療科... 外科医は小説やドラマ、映画などの主人公にしばしば取り上げられます。 2018/9/8 前立腺がんのロボット手術について開腹手術や腹腔鏡手術と比較しながら説明しました。 どんな治療にも優れた点と注意するべき点があります。 ロボット手術が広まっている理由を知っていただく一方で、気をつけたほうが良いポイントについても知っていただければ幸いです。 子宮体がんの手術療法には開腹手術と腹腔鏡下手術があります。 当院では開腹手術はもとより腹腔鏡下手術を数多く手がけています。 腹腔鏡下手術とは、腹腔鏡と呼ばれる直径0.5~1cmほどの長い棒状のカメラを用いた手術です。 虫垂炎手術方法の比較(腹腔鏡と開腹) この表だけ見てもピンと来ないと思いますので、それぞれの手術をもう少し解説します。 傷は、腹腔鏡手術では3ヶ所穴を開けて、腹腔鏡と鉗子2本で行ないます。 腹腔鏡下手術と開腹手術の患者背景と手術成 績を示す(表1).腹腔鏡下手術16例と開腹手 術12例の平均年齢は36歳,35歳と差はなかった. 手術時間は164分,185分と両者に差はなかった. 出血量は104ml,610ml と腹腔鏡下手術で有意 腹腔鏡手術の入院期間 通常の手術と比べてメリットあり? 腹腔鏡手術のメリットの1つとして、開腹手術に比べて入院期間が短くて済む点が挙げられます。 開腹手術と腹腔鏡での手術、それぞれの特徴をみていきましょう! ・開腹手術のメリット 実際に肉眼で手術しているので、卵巣や子宮の確認がしやすい料金をおさえて手術が受けられる 開腹手術のデメリット ・傷の大きさが5cm前後と腹腔鏡手術と比べると大きい QOLと言っても様... これまでの記事で、外科医の仕事内容や勤務する診療科によってその忙しさを検証してきました。なんとなく外科医の勤務内容は忙しい、というイメー... 以前記事で説明したように外科医志望者は1990年代以降減少してきています。 80歳以上に対する腹腔鏡手術の時代的変遷 図3. 前回の記事では、現在お腹(腹部)の手術で行われている開腹手術と腹腔鏡手術という2種類の手術方法のうち、開腹手術にスポットを当ててお話しいたしました。今回は腹腔鏡手術について、そのメリットとデメリットも含めてお話ししていきたいと思います。 その結果、手術に要した平均時間に関し、開腹手術が69分だったのに対し腹腔鏡手術の方は120分だったといいます。. どちらも同じ腹部の臓器を対象とする手術ですが、その大きな違いは、開腹手術とはその名の通りお腹の壁(腹壁)をメス等で開いてアプローチする手術で、腹腔鏡手術はお腹に小さな孔を数ヶ所開け、カメラ(内視鏡)を使ってお腹の中をモニターで映しその映像を見ながら行う手術になります。 一般の方からすると「医療現場にあるもの... 近年、スポーツの指導現場や職場でのパワーハラスメント(パワハラ)が、社会問題としてよく取り上げられるように... SNS等で、定期的に医師の出身大学に関する議論がなされることがあります。 大腸癌手術症例の年齢別割合 (当院の 大腸癌手術症例: 約300例/年) 図2. ・ 腹腔鏡下手術の利点は、傷が小さく痛みが軽く、入院期間が短く社会復帰が早く、生活の質(qol)が高く、術後の腸閉塞が少なく、傷の感染が少ない点です。 ・ 開腹手術の利点は、手術時間が短く、腹腔内膿瘍の発生が少ない点です。 例えば、泌尿器科で行われている腎臓や副腎の摘出術の場合、開腹手術では20cmから30cmにわたってお腹や腰のあたりを切開しますが、腹腔鏡手術では3cmから6cm程度の傷が1か所と、5mmから1cm程度の傷を数か所切開すれば手術が可能です。. 腹腔鏡と開腹の比較に関する2018年のコクランレビューでは、腹腔鏡後では腹腔内膿瘍の発生率が高かったものの、初日の疼痛強度、手術部位感染、入院期間、通常の活動に戻るまでの時間において開腹より優れていました 。 腹腔鏡下手術と開腹手術の特徴を、比較してまとめました。 腹腔鏡下手術は低侵襲である点が大きな利点であり、一方、開腹手術は直接臓器を触れて手術できる点が大きな利点です。 最近の腹腔鏡手術と開腹手術を比較した研究では、再発率などがんの治療成績に差がないことが分ってきました。しかし、これは多くの手術を行っている専門施設からの報告であり、一般の病院におけるレベルとは差がある可能性も考えられます。 また,腹壁瘢痕ヘルニア根治術において,開腹手術と 腹腔鏡手術の比較で,欧米での報告4,5) では,腹腔鏡手 術の方が手術時間は延長するが,術後合併症の発生は少 なく,入院期間の短縮が期待できると言 … 近年放映されている医療系ドラマでも、... 一般的に医師は離婚の多い職業と言われております。確かに私の周りでも離婚した医師の話はよく耳にしますので、世... TwitterなどをはじめとするSNSでは、定期的に「専門医資格(以下:専門医)は必要か不要か?」、「専門... 長時間労働が常態化している医師の勤務状況を踏まえて、2017年8月より政府主体で「医師の働き方改革に関する... 前回の記事では、現在お腹(腹部)の手術で行われている開腹手術と腹腔鏡手術という2種類の手術方法のうち、開腹... 怪我の処置はどうするべきか?傷口は水道水で洗うのか消毒するのか?出血はどう対処する?, 腹壁を開いた場所からしか臓器が見えないため体格や臓器の位置によって大きく開腹しなければならない. 2018/8/20 腹腔鏡下手術の利点は、よくクローズアップされています。. オクラホマ州立大学の調査チームは、出産経験のない34頭のメス犬(2.4~31kg)を対象として子宮卵巣摘出術を行い、開腹手術(18頭)と腹腔鏡手術(16頭)のパフォーマンスを比較しました。. 開腹手術と腹腔鏡手術の比較 (80歳以上: 341例) 腹腔鏡 (n = 233) 開腹 (n = 108) P値 腹腔鏡下手術と開腹手術があり、以下に詳しく述べます。 ② 胆汁酸溶解療法 : 内服薬で徐々に胆石の成分を融解する方法です。 ある種の石には有効ですが、石が溶解する割合は数%以下と、あまり有効な治療ではありません。 前回の記事では仕事内容の点から、実際に外科医がどのように忙しいのかどうかを検証していきました。 開腹術と比較した腹腔鏡手術のメリット. たしかにそのとおりで、順調に周術期を乗り越えればかなりのメリットがあると思います。. http://surgeondr... 外科医は小説やドラマ、映画などの主人公にしばしば取り上げられます。 腹腔鏡手術とは、腹腔鏡(カメラ)が映した映像をモニターで見ながら行う手術のことです。お腹に数カ所2-12mmの小さな穴を開け、炭酸ガスでお腹を膨らませて行います。, 傷口が小さく、痛みが少ないため、術後の回復が早く、体の負担が少ない手術です。腹腔鏡で病変部を映し、拡大された映像を見ながら手術するので、肉眼では不可能だった精密な手術操作ができ、出血が少ないです。, 欠点は技術の習得に時間がかかり、拡大されているので全体が見えづらく、直接臓器を触れることができない点です。癒着が強い時、出血が制御できない時、癌が周囲に広がっている時は、途中で開腹手術に移行することがあります。また、術前の検査結果で開腹手術の方が適切と判断された場合は、最初から開腹手術を行います。, 腹腔鏡下手術は「内視鏡外科手術」とも言いますが、胃カメラや大腸カメラなどを用いて行う「内視鏡治療」とは別の治療です。​, 開腹手術に比べ腹腔鏡下手術は傷が小さく、臓器が直接空気に触れないため、体の負担が少なく低侵襲な手術です。, 更に低侵襲を目指した手術として、傷の数を減らすReduced port surgeryや、傷の大きさを小さくするNeedlescopic surgeryといった方法もあります。更には単孔式内視鏡手術(Single port surgery)といって、臍の孔1ヶ所だけで行うことも可能です。傷痕が臍で隠れてしまうので、手術をしたかどうかほとんどわからなくなってしまいます。, 単孔式内視鏡手術は整容性の点ではいいのですが、臍から何本も鉗子を入れるため傷が大きくなってしまい、術後の痛みが強くなる傾向があります。例えば、5mmの傷2ヶ所よりも10mmの傷1ヶ所の方が痛みが強くなります。, そのため、私自身は単孔式内視鏡手術とNeedlescopic surgeryを組み合わせた手術を行っています。3mm程度の孔は痛みがほとんどなく、傷痕もほとんどわからなくなってしまいます。映像を映す腹腔鏡と電気メスなどの器具は5mmですので、それらを最小限の切開で臍から挿入し、必要に応じて3mmの鉗子を追加しています。安全な手術が第一ですので、病状に応じて安全性を確保した上で、これらを組み合わせて、より体の負担が少ない手術を目指しています。, 腹腔鏡下手術と開腹手術の特徴を、比較してまとめました。腹腔鏡下手術は低侵襲である点が大きな利点であり、一方、開腹手術は直接臓器を触れて手術できる点が大きな利点です。手術直後は腹腔鏡手術の方が体の負担が少ない分、回復が早く、早期に社会復帰ができる点で優位性があります。, ただし、長期成績は大抵の手術で、差がないことが多いです。病状や手術の内容によって、どちらがより良いは違いますので、主治医とよく相談することが大切です。, 板橋中央総合病院外科、東京外科クリニック特任院長。内視鏡外科技術認定医、消化器外科専門医、外科専門医。腹腔鏡による日帰り手術、病気や医療、仕事術、勉強法、日記を中心にブログを発信。【詳しくはこちら...】, 「お腹の手術は大きく分けると、腹腔鏡下手術と開腹手術があります。どちらの手術にも携わっている外科医の私が、腹腔鏡下手術と開腹手術の違いの疑問に答えます。」, ・ 腹腔鏡下手術は、傷口が小さく、痛みが少ないため、術後の回復が早く、体の負担が少ない手術です。, 「腹腔鏡下手術と開腹手術は各々に利点・欠点があり、病状や年齢、基礎疾患などによって、最適な方法は違いますので、主治医とよく相談することが大切です。」, 板橋中央総合病院外科、東京外科クリニック特任院長。内視鏡外科技術認定医、消化器外科専門医、外科専門医。腹腔鏡による日帰り手術、病気や医療、仕事術、勉強法、日記を中心にブログを発信。. ① 手術中の出血量が少ない 開腹手術と比較すると、筋肉を切る量が少ないので、出血量が少なく、輸血の必要性も低くなります。 ② 傷口が小さい 鉗子を挿入するための穴は直径5㎜~12㎜ほどの小さなものです。 ロボット,腹腔鏡,開腹術での比較で,平均手術時間でロボットは他の2群より有意に長時間手術であった.また平 均出血量では開腹術が他の2群より有意に多かった.また平均摘出リンパ節個数は,開腹群で他の2郡と比較して有意 近年放映されている医療系ドラマでも、「ドクターX」、「医龍」、「ド... 前回の記事では、現在お腹(腹部)の手術で行われている開腹手術と腹腔鏡手術という2種類の手術方法のうち、開腹手術にスポットを当ててお話しい... 私たち外科系の医師や救急外来で勤務する医師は、日常的に怪我をした患者さんの傷の治療を行なっています。 理由は様々挙げられるかと思いますが、その一つには訴訟リ... ハンターハンター(HUNTER×HUNTER)という漫画をご存知でしょうか?登場人物が念というオーラを用いて闘う漫画ですが、その念能力に... 医学部卒業後ほとんどの医学生さんは、ごく少数の例外を除いて医師免許を取得し、医療業界に携わることになると思... 医療現場では「清潔」「不潔」と言う言葉が頻繁に飛び交っています。 多くが国公立大学の医学部出身か... 前回の記事では、本邦の医学部がどのように分類されるのかを解説しました。 鼠径ヘルニア(脱腸)の手術法には鼠径部切開法と腹腔鏡があります。 当院では、特段ご希望が無い場合はキズが小さくて痛みの少ない「腹腔鏡」による手術を進めていますが、このコラムでは鼠径部切開法と腹腔鏡による手術の違いを簡単にご説明いたします。 外科, 前回、全身麻酔で行う手術の流れについてお話しいたしました。記事を通じて、手術室内でどのように手術が進行していくかある程度おわかりいただけたかと思います。, 今回はより具体的に、外科系のドラマでもよく取り上げられるお腹(腹部)の手術についてお話ししていきます。, 私自身、腹部の臓器専門の外科医として日々手術の執刀を行なっていますが、現在の腹部手術は大きく以下のように分類することができます。, どちらも同じ腹部の臓器を対象とする手術ですが、その大きな違いは、開腹手術とはその名の通りお腹の壁(腹壁)をメス等で開いてアプローチする手術で、腹腔鏡手術はお腹に小さな孔を数ヶ所開け、カメラ(内視鏡)を使ってお腹の中をモニターで映しその映像を見ながら行う手術になります。, それでは早速、開腹手術と腹腔鏡手術それぞれについて、今回は開腹手術から説明して行きたいと思います。, 腹部の外科手術が誕生してからずっと用いられている手術方法ですので、長い歴史があります。, 先ずは前述の通り、腹壁を開いて内臓の存在している空間(腹腔内)を露出させます。臓器が露出したら直接目で病変部を見ながら、執刀医や助手の手または手に持った器械を使って手術を行います。, 開腹手術を行うために先ず切り開かないといけないのが腹壁ですが、腹壁は内臓を守らなければなりませんので、様々な組織が層をなすことにより構成されています。, 体の表面から腹腔内に向かって、順に腹壁を構成する組織を並べると、大まかに以下のようになります。, この中で皮下脂肪と腹膜前脂肪は痩せた人と肥えた人で大きくボリュームの差があります。, 特に皮下脂肪のボリュームが多いと、筋肉前面を覆う層である筋膜前鞘に達するまで数cm以上脂肪を掘り進めなければなりません。, 腹壁の筋肉に関しては、切開する部位によっては筋肉を切らずに避けることもできますが、部位によっては複数の筋肉を切らなければなりません。, よくイメージされる開腹手術はお腹の真ん中を上下に切開する正中切開だと思いますが、虫垂炎の開腹手術では右の下腹部を数cm程斜めに切開する交叉切開がよく用いられ、こちらも比較的知られている切開法だと思います。, 腹部の手術の多くで正中切開が用いられる理由として、正中ではちょうど左右の腹筋(腹直筋)の境目があり、その部位には筋膜前鞘と筋肉後鞘のみが存在し、筋肉が途切れているため筋肉に切り込まず比較的腹壁の薄いところで腹腔内に到達することが出来るからです。, 因みに筋肉は血の巡り(血流)が豊富で、切り込むと血が出易いですので、筋肉がある部位を極力避けて開腹しようという意図もあります。, ただし体格や臓器の部位によっては正中以外でお腹を切開しないといけない場合もあります。, これは、開腹手術の弱点でもあるのですが、切開した部位からしかお腹の中は覗けませんので手術対象臓器が右や左などに偏って正中切開で視認しにくい場合は出来るだけその近くで切開する必要があります。そのため上記に挙げたように複数の切開部位が存在することになるのです。, 上記意外にも、腹腔内で最も大きな臓器である肝臓の手術をする際などは、お腹を大きく縦と横に開く逆L字切開やメルセデスベンツ切開という方法がとられることもあります。, もちろん切開した創が大きいほど術後の疼痛は強く感じる傾向にあり、筋肉を横断するような切開(季肋部切開など)は横断した部位の筋肉が後々萎縮してしまうことがあります。, 前述した通りお腹の手術の歴史とも言える開腹手術ですが、近年はより体に負担の少ない腹腔鏡手術の台頭によりそのメリットとデメリットがはっきりとしてきました。, ここで、特に腹腔鏡手術と比較した場合の開腹手術のメリットとデメリットについて検証していきましょう。, 腹腔鏡手術に対する開腹手術の大きなメリットの一つとして、実際に自分自身の手で臓器に触れながら手術ができるということが挙げられます。, 例えばかなり進行した癌の手術などでは、どの範囲まで癌が広がっているかを評価するのに実際に手で触った感覚で確かめなければはっきりしない場合があります。これはモニターに映し出された画像を見ながら手術を行う腹腔鏡手術では困難なのです。, また、開腹手術であれば、手術中に大きな出血をきたした際に、直接手で押さえて一時的に止血し、状況を立て直すことができます。, これが腹腔鏡手術ですと、細長い器械を使って限られた動作制限の中止血を試みないといけないので、開腹手術に比べて良好な操作を得られないこともあります。実際に出血した際の止血が困難なためで腹腔鏡手術から開腹手術に移行する例もあります。, 教育的な面でのメリットを挙げると、腹腔鏡手術では小さな孔から器械を挿入して手術をするため、経験の浅い執刀医の指導を助手が行う際に直接手を出しにくいのですが、開腹手術ですと執刀医が操作を誤りそうになった際に、すぐ手出しすることができ指導しやすい面が挙げられます。, 教習車に例えると、開腹手術はすぐに指導教官が補助ブレーキを踏むことができる状態と言ったところです。, 続いて腹腔鏡手術のデメリットについて説明します。一般的なデメリットとして下記のものが挙げられます。, 傷に関して、開腹手術では切開部位のところで取り上げたように、ある程度開いて手術をするため、同一内容の手術を数ヶ所の小さな傷で行うことのできる、腹腔鏡手術に比べて大きくなってしまいます。傷の大きさは体へのダメージに直結し、術後の回復の早さに大きく関わってきますので、開腹手術の最も大きなデメリットとも言えます。, また、開腹手術ではお腹を開いたところからしか腹腔内を覗きこむことが出来ないので、体の奥深くの臓器を対象に手術する場合や、体格が大きい患者さんでは大きくお腹を開かないと手術時の視野を得ることができません。, 腹腔鏡手術ではカメラで覗きこむことが可能であるため、体格や臓器の深さに左右されず同一の小さな傷で手術を行うことが可能なのですが、開腹手術ではこう言った要素によって、ただでさえ腹腔鏡手術に比べて大きな傷がさらに大きくなってしまう可能性があるというわけです。, さらには腹腔鏡手術の進歩で、今まで開腹手術でないと困難であった手術も腹腔鏡手術で可能になりつつあり、開腹手術特有のメリットが以前より薄れてきつつある印象があります。, 以上、開腹手術の概要にメリット・デメリットも加えてお話しいたしました。特にメリット・デメリットは、実際に私たち外科医が、患者さんに手術の説明をする際に開腹手術と腹腔鏡手術の違いとしてしっかりとお話しするところでもあります。, 開腹手術についていてある程度イメージは付きましたでしょうか?次の記事では、腹腔鏡手術について具体的に説明したいと思います。. 子宮体がんの腹腔鏡手術は、開腹手術と比較して根治性も再発率も同等であり、入院期間の短縮や手術中の出血量が少ないといったメリットも報告されています。しかし、その一方で以下のような問題点も指摘されています。 傷が小さいため、美容的にすぐれています。手術後の痛みも軽く回復が早いため、入院期間が短くて済みます。 手術によって起きる癒着が少ないと報告されています。 開腹術と比較した腹腔鏡手術のデメリット 開腹手術と比較した腹腔鏡手術の主なメリット. 具体的な利点は、低侵襲であることや傷が小さいこと、痛みが少ないこと、術後回復が早いことなどです。. しかし腹腔鏡 … 神戸大学において、腹腔鏡手術160例と、同時期に行った開腹手術を比較すると、手術時間は腹腔鏡手術の方がやや長く、出血量は腹腔鏡手術の方が有意に短いことが分かっています。また、摘出リンパ節数は、腹腔鏡手術の方が多い傾向にあります。